新人看護師さん、看護学生さんへ

医師が行う処置の介助につくのが苦手…。新人看護師さんが緊張を減らせるようにアドバイスしたい!

医師の処置につくのが緊張する!って新人看護師さんはとても多いと思います。

物品の準備に始まり、患者さんの準備、うまく物品が渡せるか(そもそも物品の名前がわかるのか)、怒られやしないか不安…。

医師がやってきた途端にどきーーん!なんて頭の中が真っ白になったりして( ;∀;)

私も医師の処置の介助につくのは、すっごく苦手です

新人看護師さんだけでなく、医師の処置につくのって苦手な看護師は多いように思います。

何度も繰り返し経験のある処置ならまだしも、経験なし、1回くらいしかやったことない!ってときはうまくできるのか不安になります。

新人看護師さんたちからしたら、その不安は何十倍、何百倍ですよね…( ;∀;)

ちなみに筆者は

  • 看護師15年すべてを混合病棟で過ごす
  • どの病棟でも3~4科の混合
  • ほぼ全部の科を経験
  • 幅広い経験をしたものの知識は非常に浅い

混合病棟でたくさんの科の患者さんの対応をしていると、すべての科を細かく把握できないんです。

患者さんの命がかかっていますので、最低限のことができるよう科によってポイントをおさえるように意識しています。

医師が行う処置も科によってさまざま、いろんな処置の介助をについてきました。

動脈血採血、CV挿入、腰椎穿刺、胸腔・腹腔穿刺、骨髄穿刺、膀胱洗浄、胃洗浄…などなどです。

半年とか1年以上前に1回やったことがあるかな…?というものもあり、基準・手順書を片手にドキドキしながら介助についたものです。

今回は、医師が行う処置介助について、心構えやポイントをまとめていきます。

混合病棟でもそうでなくても、新人さんたちのお役に立てれば幸いです。

専門家のある病棟に配属されているようでしたら、似たような処置を何度も行うことになるので、その科で働いて経験を積んでいけば、慣れていけるようになりますよ。

どんどん知識や技術を深めていって、いつか私にアドバイスをお願いします!

医師が行う処置に介助につくときの心構え

とにかく処置の準備をしっかりとする

医師が行う処置に介助につく時は緊張するものです。

準備だけはしっかり行っておくと、いざ処置が始まってから「物がない!」なんてことになると焦ってしまいます。

基準・手順書など院内で決まったものがあれば、それを見て必要物品をそろえておきましょう。

「準備をしてから呼んでください」と医師に言われているのならば、「これでよし!」と思えるところまで準備してから医師を呼ぶようにしましょうね。

経験の浅いころに先輩に「準備ができてから先生を呼ぶんだよ、焦るから」と言われたものです

物品が回診車の中にあって、そこから取り出すという病棟なら、回診車に物品がそろっているか、どこに何があるかも普段から把握しておくといいですね!

処置が始まる前に物品の準備だけえではなく、患者さん側の準備もしましょう

準備には物品の準備とともに、患者さん側の準備もあります。

  • トイレにいっておいてもらう
  • 処置のしやすい体勢にする
  • 衣服をはだけてタオルをかける、もしくは衣服をはだけることを説明しておく
  • ベッドの高さを処置がしやすい高さにしておく(患者さんがじっとしていられるなら)
  • 必要な処置のとき、心電図モニターをつけたりバイタルセットを準備
  • バイタルを測定しておく
  • (もし一人で入るのなら)助けを呼べるようナースコールを自分の側に置く

患者さんのベッドまわりの準備や、物品の配置、防水シーツを敷いておく…。

患者さんのまわりも準備できるとなおよし。

医師が来たら、スタートできるようにしておくと、スムーズで医師にも喜ばれます。

他の受け持ち患者さんの対応をしながらだと難しいと思うのですが、できる限りやっておくと自分も安心です。

処置の一通りの流れを把握しておく

どんな処置でも、だいたいの流れは決まっています。

所属する病棟で良く行われる処置は、だいたいの流れを確認しておくと、次に何を介助するのかわかりやすいです。

だいたいの処置や検査などの流れは大まかにはこうです。

  • 物品の準備
  • 患者さん&ベッド周りの準備
  • 医師の準備(滅菌ガウンの介助など)
  • 処置に使う物品を渡す(ほぼ清潔操作)⇒だいたい消毒→麻酔→穿刺…みたいな技術が多いように思っている
  • 処置中に足りなくなった物品を渡す(ガーゼとか)
  • 処置後の患者さんの衣服、環境を整える
  • 処置後の跡片付け

前後にバイタル測定がほとんど。

もちろん処置中の患者の様子はきちんと確認です。

患者さんと物品の準備をして清潔操作で渡すことさえできれば、処置の介助として考えると最低限できたかな、と考えています。

もちろん医師からしたら準備が終わってからが本番なので、

医師が行う処置の介助を事前に見学をさせてもらう

いきなり処置の介助につくことはないと思いますし、「見学⇒フォロー⇒独り立ち」の流れがほとんどだと思います。

ですが、1回の見学、1回のフォローで「もうできるよね?」なんて流れになりがちです。

可能な限り見学にいき、病棟が落ち着いていそうなときに処置があればフォローに入ってもらえたらベストに思います。

なかなかいい機会がないですよね…( ;∀;)

本での学習をして、実際に目で見て体を動かして経験することで、身についていきます。

「百聞は一見に如かず」って昔の人はいいことを言ったものです。

できれば優しい医師が行うときに介助につかせてもらう

配慮してくれる職場だといいのですが、できる限り優しい医師が処置をするときに介助につけるといいですよね。

もし優しい先生が処置をする…ってなっときに、自分の担当じゃなくても「経験がないのでつかせてください」って言えると、やる気があるようにも見えるし一石二鳥…(;´Д`)

初めてCV挿入の介助に着いた時、怖い先生で散々な思いをしました…( ;∀;)

実現不可能かもしれないけど…、願いを込めて項目にあげさせていただきました!

初めからうまくやろうとしないこと

うまくやろう、うまくやろうとすると、緊張して絶対にうまくいきません。

新人看護師さんは、慣れないことだらけの環境の中で日々緊張しまくっていると思います。

処置の介助なんて、医師の側にいるだけでも緊張しますよね?

最低限、処置が始まる準備までがんばれればOK!です。

物品足りなくても走ってとってきます!といってダッシュすればいいし、ナースコールを側に置いておいて先輩を呼んでください。

うまくいかなくて当たり前、でも緊張しますよね( ;∀;)

応援しています!

処置が終わった後は振り返り

ドキドキの処置、お疲れさまでした!!

先輩ナースがフォローについていたら、振り返りをして呉れれば幸いですが、忙しくて十分じゃないかもしれません。

疑問に思うところだけ要点にまとめて、あとで聴けるといいですよね。

基準・手順書がある処置なら、自分で手順を振り返って、足りなかった物品、困ったことなど次に生かせるように書き込んでください。

次に処置の介助に当たったときに、同じ失敗をしなければ大丈夫!

振り返りもそれだけで十分です。

慣れるまではがんばりましょうね(T_T)!!

医師が行う処置の介助をより上手くいくための勉強法

処置の流れを確認しておく

処置の流れがわかっていると、次に何をしたらいいのかがわかってきます。

働いている職場に基準・手順があるのなら、それをあらかじめ確認しておけるといいです。

なければ教科書のようなもので流れを確認できるといいですね。

最近はYouTubeの動画で確認できるようになったのですね…便利な時代になったものです!

中心静脈カテーテルの挿入動画、手術室で入れてきたりするので、最近ではあまり病棟で経験しなくなりましたが…。

基本的な流れ、物品は変わりません。

医師が何をしようとしているのか理解すると、さらに良い介助ができるようになります。

もっと先の話、いずれできればで大丈夫ですからね!

あと、流れがわかると必要物品も何が必要なのかわかります。

中心静脈カテーテルの介助でいくと、針を刺す前に消毒するから消毒の準備…、麻酔もするから麻酔と針…といった具合にです。

どんな処置でも、看護ケアでも、流れを理解すると準備物品がわかるようになりますよ。

もちろん最初はメモや手順書をみながらで大丈夫です!!

手順書を見ながらでも、「針を刺すから消毒…痛いから麻酔…」なんて考えながら準備できたら最高です!!

なぜ処置を行うのか、なぜその物品を準備するのか根拠を理解する

医師が行う処置では、何を目的に行うのかを理解しておくといいです。

栄養が取れないから中心静脈カテーテルを入れる?

腹腔穿刺においても、「苦痛を取り除くため?」「病気の原因を調べるため?」「苦痛を取り除くとともに体に戻して蛋白を戻すため?」

目的によって準備する物品、介助することも変わってきます。

また、医師が行う処置はだいたい痛みや苦痛が伴い、制限される時間も長く患者さんにとっては負担の大きいものが多いです。

なぜその処置をしなければならないのか、を考えられると「ただ医師が行う処置の介助がうまくできればいい」わけではなく、治療や患者さんに対しての説明にも説得力が出てきます。

患者さんの不安を軽減して納得して処置が受けられるようにできるといいですよね

上記の「処置の流れを確認しておく」の項目でもご説明しましたが、「物品の準備にも根拠を覚えておく」といずれ手順書を見なくても準備ができるようになります。

さらに、経験のない処置にも特別な物品出ない限りは、準備する物品も予想がつくようになります。

医師が行う処置の介助はそれぞれちがっても、何かしら繋がっているところがあるんです。

個人的には方程式がたくさんあって、組み合わせていく感覚があります。

すべての経験がどこかでつながっていますから、ブツブツと切れているように見えても、どこかでそこに気づいてぐーーーんと面白くなる時期が来ますよ。

1日1日をまずは頑張ってください!

医師が行う処置の介助につくときに読んでおくとよいおすすめ本

医師が行う処置の介助につくときに、医師が処置を行っているときに医師の視点を理解しておくとさらに介助しやすくなります。

医師がどんな介助を求めているのか、処置する時にどのように物品を渡してほしいのか、親しみやすくイラストで描いてある超いい本があるんです!

医療処置に関しては、ねじ子先生シリーズのこの本が本当におススメです。

ねじ子先生はお医者さんでもあり、マンガ家さんでもあり、かわいらしいイラストと堅苦しくない言葉で描かれています。

第1弾は

  • 中心静脈カテーテル
  • 骨髄穿刺
  • 腰椎穿刺
  • 胃洗浄
  • 胸腔ドレーン
  • 腹腔ドレーン

他にもたくさん!

「先生こんな風に思ってたんだ~」なんて、中堅になってから購入したのですが、とてもためになりました。

採血や点滴のことも記載されているので、発刊されてから少し経つ本になりますが、新人看護師さんにはとっても役立つ1冊だと思います!

第2弾はこちらです。

こちらは「バイタルサイン」、「モニタリング」、「心電図」、「道端での心肺蘇生法」…などなど、救命救急と夜間外来的な内容で、新人看護師さんにはすぐにはなくてもいいのかな…とは思います。

(バイタルサインはとてもためになりますが)

第3弾も出ていました!

こちらは持っていないのですが、「ICU、手術室編」なので、配属された方にはとても役に立ちそうですね…!

人工呼吸器とか、清潔操作とか個人的には気になります。

こちらの「ICU、手術編」はAmazonで数ページ内容がみられます。

どのシリーズも同じテイストで作られていますので、どんな雰囲気の本なのか確認してみてほしいです!

すごく可愛くてイラスト満載なのに超専門的でわかりやすくて良書です!!

おわりに

医師が行う処置の介助は、新人看護師さんたちにとってものすごく緊張するものだと思います。

15年看護師をやっていても、医師の処置介助のときは気合いを入れなおして参戦していましたよ。

あとは年を重ねて、ずうずうしくなれたからこそなんとかなりました。

若い皆さんには本当に大変だと思います。

少しでもお役に立てるといいです!

ここまで読んでくださってありがとうございました!

これからも、新人看護師さんや異動したばかりの看護師さんが勉強する時間を少しでも短くできるような記事を書いていけたらな、と思います。

感想やリクエスト、私へのアドバイスなど、いつでもお問い合わせからご連絡いただけたらモチベーションアップになります!

どうぞよろしくお願いいたします!

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りっちゃん

Another Neighbors=「もうひとつの隣人」 物理的な隣人はいくらでもいるけれど、誰なのかどんな人なのかわからない時代です。 私は、遠く離れていても側にいるような温かい「隣人」になりたい。 として温かい心のやり取りをしたい。 看護師として、地域での経験を通して、「人と人との温かいつながり」を作っていきたい。 でも私自身の大好きなものもいっぱい語って、私の人となりを知ってほしいなあと思います。
プロフィール

-新人看護師さん、看護学生さんへ

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