新人看護師さんは毎日勉強することだらけ。
何から手をつけたらいいのかわからなくなりますよね。
やることが多すぎると、勉強に取り組むこと自体あきらめてしまいたくなるもんです。
1日中走り回って働いてきたら、疲労と緊張感から解放されて家ではゆっくり休みたい。
だけど勉強しないとわからないことだらけで不安…。
気づいたら寝てしまっていて、「なにも勉強できていない!」と焦って職場に行くこともあるでしょう。
筆者も新人時代はなかなか勉強できずにいました( ;∀;)
看護師の仕事は、勉強することが星の数ほど多くあります。
正直にいいます。
看護師は働いている間は一生勉強。
毎日が勉強です。
なので、「全部覚えないと」「時間をかけて勉強しないと」と思っても、勉強に満足できることなんてありません。
学生のころのように一生懸命ノートにまとめて疲れ切っていませんか?
一晩中勉強をして眠れなくて辛くなって辞めてしまった新人さんも過去にいました。
新人さんにとって未知の世界ですから、不安でたまらなかったんだと思います。
でも、毎日どんなにたくさん勉強をしても完璧になることはありません。
あきらめて寝て体を休めましょう
看護師として15年目、自分自身も勉強をして、後輩たちにも指導してきました。
いつも思うのは、とにかく出勤すること、患者さんに触れること、経験することが一番の勉強になる。
病院に出勤して1日働いたらもうそれで勉強になっているんですよ!
なにを言っているんだとお思いの方もいるでしょう。
だけど、看護師って経験を積まないことには、いくら机の上で勉強していても実践力は身に付きません。
ノートをまとめるのに必死になっていませんか?
仕事をしだしてからは、いかに効率よくスピーディーに勉強するかが大切です。
今回は新人看護師さんが効率的に勉強する方法をご紹介していきます。
「さらには勉強ができなくて不安…」に効果がある(かもしれない)心構えもお伝えしていきたいです。
新人看護師はノートをまとめなくていい、時間がかかりすぎるんです
学生時代は、先生が板書したものをノートに書き写すのに必死だったのではないでしょうか?
もしくはテスト前や看護師国家試験の前の勉強で、ノートをきっちりまとめていませんでしたか?
ノートに書いていると「勉強したーー!」って気になります。
私もそうでした、看護師国家試験のときもとにかくノートにまとめなくちゃ!と頑張っていました。
でも、とてつもなく時間がかかるし手が痛い…( ;∀;)
効率の悪さに気が付き、とにかく「レビューブックに書き込む&問題集を解きまくる」戦法に切り替えなんとか看護師と保健師の国家試験を合格することができました。
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看護師として働きだすと、とにかく時間がありません。
新人看護師さんとなると、慣れない環境に人間関係に仕事で緊張しまくり、看護師として働くことのプレッシャーものしかかります。
1日終わればもうクタクタ、わからないことだらけで勉強しなきゃと思っても、なかなか勉強に取り組むのは難しいです。
時間もない、身体も疲れ果てていて、じっくり勉強に時間を割くことはまず無理。
いかに、
辛い新人時代を乗り越えるのに大切なポイントです。
いえ、看護師としてはたらいく以上、さらには生きていく以上は時間を効率的に使えるようにするのが重要!
世界中のどんな人でも時間は平等に1日24時間だけからね
新人看護師の勉強方法はノートをまとめず、参考書に直接書き込もう
おすすめは、ノートをまとめずに直接参考書にマーカーを引く&書き込む勉強方法です。
「そんなんじゃ覚えられないよ…」とお思いになるかもしれませんが、慣れです!
大事だと思ったところは、マーカーで線を引く。
先輩やDrに教えてもらって参考書に書いていないことがあれば、書き込む。
これだけでOKです。
一語一句まちがえずに専門用語を覚えるのは大変です。
報告のときに「専門用語を使え!」と怒られる経験もあるでしょうが、聞いたり使おうとしていればそのうち覚えます。
元気がなくて勉強できないって時は、参考書を眺めるだけでもOK。
記憶の片隅に残るので、働いているときに経験して記憶と結びつくと、とても理解が深まります。
100%覚えていようとしなくてもいいです。
もう試験には合格しているので、勉強できてないからって何かに落ちるわけじゃない。
働きながら身に着けていけばいいんです。
ノートにまとめるよりもずいぶん効率的で時間も短縮できるはずです。
参考書と記載しましたが、病院のマニュアルや基準手順のまとめられたものなどあれば、そちらにマーカーを引く、書き込むでファイルに挟みまくるのもありですね!
勉強する項目はその日経験したこと、わかっていれば翌日実践しそうなこと
看護師の勉強する範囲は、冒頭でもお話した通り星の数ほどあります。
勉強しなければならないけど、いったい何から手を付けていいのやら…ですよね。
1番勉強してほしいのは、その日経験したことです。
社会人になってからの勉強は
「経験」⇔「机に向かっての学習」のいったりきたりです。
経験と自分ががんばって参考書などで学んだことが結びついたとき、頭や体に深くしみこみます。
ただ暗記するだけだと、時間が経つほどにだんだん忘れていきますよね?
学んだことを経験したときに、「あ、勉強したことといっしょだ!」とピンとくると、「こういうことか」と理解が深まって自信にもつながります。
逆に経験してよくわからなかったことを、振り返って参考書などで調べるて理解につながるのも理解が深まりますね。
そうすると、頭と体で覚えるので、記憶から消えなくなるのです。
また同じような経験をしたときに、「あの時経験したことだ!」とわーーっと記憶がよみがえってくるのです。
毎日働いていれば、どんどん経験値が上がっていきます。
何年も働いていると、同じ経験に何度も当たるので、無意識に体が動くようにもなってくるんです。
勉強にまでいけなくても、その日に経験したことを振り返るだけでもOK。
振り返ることで経験したことを記憶から呼び起こして、再度経験した状態に近づけるのです。
病棟で新人看護師さんたちに指導する時は、
疲れたと思うけど、今日やったことをお風呂の中でもいいから振り返ってほしいな
なんて言ってました。
経験したことの理解を深めることがとても大切、それも時間が経たないうちに、です。
毎日新しい経験をし続けるので、その日に経験したことはその日のうちに思い返すだけでもしておくと、あとあと楽になれます。
1つ前の項目で参考書などに書き込むとよいとお話しましたが、これができたら花丸レベルです。
あわよくば、翌日どんな患者さんが担当で、どんな処置をするのかなどわかっているのなら、ざっと参考書など眺めておくと安心できますよね。
全部やろうとしなくていいです、全部は絶対無理!あわよくば、です。
不安だと思いますが、フラフラになって寝不足で働かない頭で出勤するよりも、寝てフットワークと頭をフル回転させて勤務に臨む方がマシです。
寝不足は翌日以降にも響きますしね( ;∀;)
新人看護師さんは苦手かもしれませんが…勉強するのなら根拠を大切に。
看護学生時代に、「根拠を大事にしなさい」とよく言われたのではないでしょうか?
もしくは、実習のとき指導者さんや先生に「根拠は?」と冷たく言われて泣きそうになったこともありませんか?
「根拠」って言葉にアレルギー反応を起こしそうですよね( ;∀;)
なぜ根拠って大切なのでしょうか?
医療行為や看護ケアは根拠がなければ実践できないもの
根拠なくもし医療行為や看護ケアを行うことってできるのでしょうか?
医療行為や看護ケアは、患者さんにとって喜ばしいものばかりではありません。
むしろ痛みや羞恥心を伴うものが多いですよね。
なぜ、痛みを伴う治療や検査、ケアをするのか。
なぜ、副作用が起こる可能性が多い薬を体内に入れるのか。
患者さんが納得して受け入れるからこそ、医療行為や看護ケアを行ってよいのです。
(よくいう「説明と同意」ですよね)
すべてに「理由=根拠」があるのです。
理由もなく人を傷をつける、身体に触れるなんてことは許されませんよね
根拠を覚えると勉強がはかどりやすいし、看護師として働き続けるうえで役に立つ
はてさて、先輩に「根拠は?」と言われるとビクビクしてしまうものですよね。
ですが、根拠を覚えておくと「勉強するべきこと」や実際の仕事のときに「行動すること、確認すべきこと」が頭に浮かびやすくなるのです。
丸暗記ではなく、「なぜ?」を覚えておくのです。
看護での根拠って、数学でいう「方程式」のようなものだと考えています。
根拠の組み合わせで、「やるべきこと=実践すること、確認すること」が答えを導きだすように出てくるのです。
胃カメラを例にしてお話していきましょう。
【胃カメラ前に絶飲食にするのはなぜ?】 ⇒絶飲食なら食事のオーダーはちゃんと止めてあるか?⇒確認する! ⇒絶飲食だから内服はどうするのか?⇒確認したい! 心臓、アレルギー、痛み止めなどの大事な薬は内服、血糖を下げる薬は中止 もしくは主治医に確認をする 【胃カメラの後に1時間絶飲食にするのはなぜ?】 <その他> 胃カメラ中は左下にして体制をとるから鎮静用のルートは右手にとる ⇒ルートとるなら点滴のオーダーが必要⇒確認する!
ものすごくざっくりとですが、「実施すること、確認すること」が連鎖して導き出されます。
これは勉強するべき点でもあり、根拠はとっても大事。
長く看護師を経験していると、あまり経験のない処置やケア、検査出しでもなんとなくできるようになります。
それは「根拠」を理解して身に着けているから。
消化器疾患の処置を連想すると…
「消化器の処置をしたら出血のリスクがある」
⇒消化器の処置の前にご飯は食べていいのだろうか、処置後の安静度はどれくらいだろうか、いつから食事を食べられるのかな?形態は普通で大丈夫?オーダーは出てたっけ?出血したときの指示はあるかな?
…みたいに思い浮かびます。
一語一句、教科書を丸暗記するのは難しいですよね。
仕事をしていても、机の前で勉強しているときも、「なぜ?」と思うことがあったらぜひ調べたり聞いてみてください。
「なぜ?」「なぜ?」がつながって、必ず将来役立つ時が来ます。
「なぜ?=根拠」がわかっていると、なにより自分の実践する看護に納得できて自信が持てるようになりますよ。
根拠を教科書にどんどん書き込んでいってほしいです!
どうして勉強をするのか?しないといけないと考えるのか?
新人看護師さんたちがなぜ勉強をするのか?
言葉を覚えるため?
先輩に質問されて答えられるようになるため?
間違いはないのですが、やっぱり「患者さんに看護をするため」ですよね。
学校に通っていたころと違うのは、看護を実践すること、働くこと。
テストも、宿題もたいていのことには答えがありました。
だけど看護の現場には、決まった答えの方が少ないくらいです。
患者さんの状態はいつも変化します。
患者さんの年齢も性別も性格も生きてきた時間も、もちろん疾患もちがいます。
いっしょに働く人も同級生だけではありません、日によってメンバーも変わります。
変数だらけの中で、果たして机の上でノートをまとめているだけで、あなたは満足できるでしょうか?
たぶん、無理ですよね( ;∀;)
看護師はとにかく経験です。
1日や2日で身につくものではありません。
もちろん自己学習や机に向かって勉強することも大事です。
大事なのですが、経験にプラスする形でやっていってほしいです。
さぁ、あきらめて寝てしまいましょう
看護師の学びは1日や2日で到底学びきれるものではありません。
正直言って、看護師として働き続ける以上、いえ、人として生きている以上一生学びなのです。
わからないことだらけで、何が起こるかわからなくて、不安で不安で仕方がないと思います。
が、あきらめて寝てしまいましょう。
学びきれないものにずっと時間を費やしていては身体がもちません。
ぐっすり寝て、身体も、心も癒してください。
新人看護師のみなさん、本当によく頑張っていますよ。
コツコツと積み上げること、継続することこそが難しいのです。
まずは経験を積んでくさい。
経験がない分、新人時代は必ず厳しい1年になるのは間違いありません。
要領のいい同期、人付き合いのうまい同期、いろんな同期がいても比べる意味はありません。
逃げることなく、いろんな経験を積み上げた方が、長い目で見てよい看護師になれます。
根拠を考えているうちに、いろんな思考をして考えることのできる看護師になってほしいです。
そうなれば、あなたの人生にもきっと良い道を広げてくれるはずですよ。
ずっと、ずっと応援しています!!
ここまで読んでくださってありがとうございました!
ちょっとだけ毒を吐きつつ、お願いしたいこと
看護師の中には「こんなこともわからないの?」とか「こんなの看護とはいわない」とか、人としてそれはどうなの?という発言をする看護師がいます。
悲しいことに、まわりの環境からの影響や、自分が受けてきた指導が、残念なものだったのでしょう。
だからといって、自分の受けた辛さを他人に、しかも自分よりも立場の弱い新人ナースにするのはいかがなものなのか。
余裕がない?忙しい?
関係ありません、ストレスのはけ口は弱者にするものではないのです。
看護師の労働環境があまりにも大変なのは間違いありません。とてもストレスフルなことも。
でもそれは他人を傷つけていいものではないのです。
そして、先輩看護師自身が人として成熟していなかったり、指導能力が十分ではない人もいます。
あーだこーだ言いましたが、そんな人たちの言葉をまともに受けて傷つくのがもったいなく思うのです。
自分にできることが少なくて、自信をもって看護ができるわけじゃなくて、先輩たちはとてつもない力を持っている人たちに思えるでしょう。
あなたは何もできないわけではありません、ちゃんと力を秘めています。
新人看護師さんたちは、可能性の塊、伸びしろしかなくて、私にはとても輝いてみえるんですよ。
自分を信じられないくらい、自尊心が下がりまくっているかもしれない…。
そんなあなたを勇気づけ、助けてくれる先輩についていってください。
支援すらもせずに傷つける先輩からは離れてください。
学校じゃないいい所は、日勤や夜勤を耐え抜けばまた離れられるところですよ…。
そして最後に、あなたが先輩になった時、辛いこと嫌なことを後輩にしないでください。
看護師の業界は当たり前、変な常識を変えていきましょう。
患者さんの看護に集中しましょう。
…熱く語ってしまいましたが、私はあなたを応援しています。
遠くにいても同じ看護師は、仲間なのですから。