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感動した本

心を解放する1冊、オノヨーコさんの「グレープフルーツジュース」

オノヨーコさんの「グレープフルーツジュース」。

この本はとても小さくて、読むところなんてほとんどありません。

だけど、ヨーコさんの言葉に向き合って、想像を巡らすと、すごーく時間がかかるのです。

不安が強くて、何もできなくなってしまうようなとき、想像を巡らすとなんだか悩みがちっぽけな感覚になるのです。

凝り固まった狭い世界を一気に広げてくれて、まるで心を解放されるかのようです。

なんとなく社会が上手く回っていなくって、鬱々としやすくって、人付き合いが大変だったり、毎日があっという間に過ぎていってしまう今の時代にこそ、読まれるといいな、なんて思っています。

「グレープフルーツジュース」との出会い

この本は、父を亡くしたときに、尊敬する知人からいただいた本でした。

父は大腸癌で亡くなりました。

約1年の闘病生活でした。

父を亡くしたときは、ちょうど娘が2歳のイヤイヤ期真っ最中。

看護師の仕事も上司が変わったばかりで、職場で働くスタッフの気持ちを無視するようなやり方になっていて。

父の通院や自宅での介護、病院や訪問看護師さんとのやり取りを母といっしょになんとか回していました。

あの1年間は人生で最大に忙しい時期でした、体調も崩したし、全然回らなくて、娘も毎日泣きっぱなし、真剣に仕事を辞めようと思った。

上司に退職したいことを伝えたのもあの時が初めて。

でも上司に「そんなにお父さん長くなさそうだからここで辞めたらもったいない」なんて言葉に傷ついたりして…。

上司とのやり取りの数か月後に実際に父はなくなり、夜中に走って、看取った後、翌朝には葬儀場へいって。

お通夜にお葬式に火葬にと流れるように過ぎて、わけがわからないまま喪主にもなって。

その後も何にも生前整理をしてくれなかった、父の銀行口座やクレジットカードの解約やよくわからない株の手続きとか、今思い出してもぐったりします。

そんな中、何の前触れもなく、オノヨーコさんの「グレープフルーツジュース」が送られてきたのです。

父を亡くした悲しみを向き合えず、無になった自分の心を解放してくれた

ある程度父が亡くなったあとの手続きが落ち着いたころ、ふと父が亡くなったことが現実に感じられるようになりました。

人を亡くしたときって、あんまりゆっくり悲しむ時間ってないんですね。

亡くなるまでの闘病生活に介護、亡くなった時その後…、心は追いつかないのに現実は進むし、なんとかしなきゃ!って気になって、まわりが見えないのです。

そんな時に「グレープフルーツジュース」をパラパラっと読んでみたら。

まともに読んだら、「なに変なこと言っているんだろう?」、「そんなこと現実でできるわけない!」ってなるかもしれない内容なのですが、想像するんです。

ヨーコさんの言葉をじっくりと読んで、目を閉じて想像してみる。

例えば、

空に太陽がたくさん浮かんで眩しいな、と思ったらだんだんと消えていって…

まるでそれは地球が眠るような感覚

他には、

空高く、地平線が見えるまで、自分の身体が浮かんで、飛んで、宇宙との境まで飛んで

空気が限りなく澄んでいるような感覚・・・・

自分をすごく遠くから見つめてみたり、見つめられたり。

想像するだけで、不思議と自分の身体が自由になり、軽やかになり

客観的に自分を見たり、世界や宇宙の果てしない広さを感じて、自分の存在のちっぽけさを感じて、目の前の悲しみが幾分か和らぐような気がするのです。

すごーーく不思議な不思議な本。

心を解放してくれる、私の宝物のような本になりました。

辛い時、苦しい時にこそグレープフルーツジュースを読んでいます

人生ってどうにもこうにも上手くいかないことってありませんか?

なぜか不幸やついていないことって、芋づる式のように重なるものです。

父の看病や亡くなったこと、幼い娘の相手、仕事の多忙さ、一気に来てくれたなって今も思います。

でも生きてりゃ、いいことも、悪いこともある。

仕事で失敗しちゃった、誰かとケンカした、さよならした、失恋した、酷く怒られた…。

すっごく悲しくて、辛くって、もう何もかも放り出したい!って時もある。

悲しくて悲しくて、もう何もかも見えないって時もある。

その事実は変わらないけれど、無理に前向きになろうとする必要はないけれど。

ちょっとでも、ふわっと楽にしてくれるのが「グレープフルーツジュース」なのだと思います。

がんじがらめになってしまった心を、優しく解きほぐしてくれるような。

無理やりにでもなく、でも視点を高く、視界を広くしてくれて、ちょっとだけ楽にしてくれるような。

父の死を乗り越えたのかわかりませんが、あの経験が今の私を大きくしてくれています。

でも、やっぱりいろんな辛いこと、悲しいことはどうしてもやってくるのですが、この「グレープフルーツジュース」をふと思いだしては読み始めると、ふわっと心が軽くなる気がするのです。

グレープフルーツジュースをいっしょに読めば、子どもとのコミュニケーションの機会に

試しに8歳になる娘といっしょに、寝る前にいっしょに読んでみたことがあります。

子どもこそ、自由な想像力で、いっしょに一生懸命に考えてくれます。

自分にはない発想もあって、視点の違いに驚きますし、その柔軟に受け入れる姿勢はとっても感心できます。

子どもとのコミュニケーションの機会にもなりますし、想像力を巡らすと疲れるみたいで、睡眠導入剤にもなっています。

気づいたらことっと寝ていたり・・・。

小さな小さな、何も考えなければすぐに読めてしまうくらいの文章量なのに。

本当に不思議な本ですね。

想像する力って、人間にとってすごい力なのだな~と気づかせてくれる本です。

ここまで読んでくださってありがとうございました!

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りさ

Another Neighbors=「もうひとつの隣人」 物理的な隣人はいくらでもいるけれど、誰なのかどんな人なのかわからない時代です。 私は、遠く離れていても側にいるような温かい「隣人」になりたい。 として温かい心のやり取りをしたい。 看護師として、地域での経験を通して、「人と人との温かいつながり」を作っていきたい。 でも私自身の大好きなものもいっぱい語って、私の人となりを知ってほしいなあと思います。
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